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共同研究

TGF-β1 increases cellular invasion of colorectal neuroendocrine carcinoma cell line through partial epithelial-mesenchymal transition.

TGF-β1 increases cellular invasion of colorectal neuroendocrine carcinoma cell line through partial epithelial-mesenchymal transition. Norihiko Sasaki, Seiichi Shinji, Yuuki Shichi, Toshiyuki Ishiwata, Tomio Arai, Takeshi Yamada, Goro Takahashi, Ryo Ohta, Hiromichi Sonoda, Akihisa Matsuda, Takuma Iwai, Kohki Takeda, Kazuhide Yonaga, Koji Ueda, Sho Kuriyama, Toshimitsu Miyasaka, Hiroshi Yoshida. Biochem Biophys Rep. 2022 Mar 1;30:101239. doi: 10.1016/j.bbrep.2022.101239.

上皮間葉転換は多くのがんの増殖や転移に重要な役割を果たしていますが、難治性の大腸神経内分泌癌における役割は解明されていません。以前に樹立した上行結腸由来の神経内分泌癌の培養細胞株のSS-2細胞において、TGF-β1によるEMTが誘導され浸潤能が亢進するかを検討しました。SS-2細胞ではTGF-β1によって、SMAD2/3のリン酸化がおこりEMTマーカー発現が変化しました。E-cadherinはTGF-β1投与後でも、蛍光染色でSS-2細胞の細胞間に局在が観察されました。TGF-β1の投与によってSS-2細胞の浸潤能は亢進し、α2-integrinの増加が認められました。一方で、大腸癌細胞株のDLD-1, Colo-320, Caco-2, HT-29ではTGF-β1投与によりα2-integrinは増加しませんでしたSS-2細胞に、α2-integrinに対する中和抗体を投与すると浸潤能が抑制されました。これらの結果から大腸の神経内分泌癌ではTGF-β1によりEMTが誘導され浸潤能が亢進し、α2-integrinが新たな治療標的となることが示唆されました。