業績一覧

共同研究

マウス生体内イメージングによって明らかになった腸でのスフィンゴミエリン分布

Sphingomyelin localization in the intestinal crypt surface. Yoshibumi Ueda, Mitsuhiro Abe, Toshiyuki Ishiwata, Takeaki Ozawa. Biochem Biophys Res Commun. 2022 Apr 14;611:14-18. doi: 10.1016/j.bbrc.2022.03.128. Epub ahead of print. PMID: 35472605. Sphingomyelin localization in the intestinal crypt surface – ScienceDirect

腸は、食物から栄養を吸収する器官であると同時に、異物の侵入などが起きると短期的には食中毒やアレルギー、長期的にはがんなどの病態を引き起こす原因ともなります。従って、腸を深く知ることは、私たちの健康を維持していくうえでとても重要です。今回の研究では、腸の表面がどのような脂質分子で覆われているのかを調べました。マウスの腸を生きたままで観察できる特殊な顕微鏡を用いて、細胞の成長や、がんの形成および進展に関与するスフィンゴミエリンの分布を調べました。結果として、大腸および小腸においては、粘膜層の陰窩の表層に、スフィンゴミエリンが分布していることがわかりました。今回の結果は、マウスのみならず、私たちにも当てはまるものであり、今後、本研究の顕微鏡を用いて、生活習慣病と関わりのあるコレステロールやがんの成長などに関与する糖脂質なども調べていく予定です。これらの脂質分布を調べることによって、近年、話題となっている腸内環境の改善などに貢献できる可能性があります。