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膵臓がん研究

ガングリオシドによるがんのシグナル伝達制御(総説)

Gangliosides as signal regulators in cancer. Norihiko Sasaki, Masashi Toyoda, Toshiyuki Ishiwata. International Journal of Molecular Sciences, 2021, 22 (10), 5076. https://www.mdpi.com/1422-0067/22/10/5076

大部分のがんでは、増殖、浸潤、転移に関する細胞内シグナル伝達系に異常が起こっていることが知られています。ガングリオシドはスフィンゴ糖脂質の一種で、がん細胞ではいくつかのシグナル伝達分子がガングリオシドの発現レベルによって正または負に調節され、悪性動態を促進しています。さらに、いくつかのガングリオシドに対する抗体は、ガングリオシドを発現しているがん細胞に対して細胞傷害効果を有することが報告されています。この総説では、がん細胞のシグナル伝達の調節におけるガングリオシドの関与を紹介し、ガングリオシドを発現するがんを標的とする治療法の可能性について記載しました。