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共同研究

欧米で高度異形成(前がん病変)と生検診断されても浸潤癌である可能性があります

Gastric high-grade dysplasia can be associated with submucosal invasion: evaluation of its prevalence in a series of 121 endoscopically resected specimens. Sakurai U, Lauwers GY, Vieth M, Sawabe M, Arai T, Yoshida T, Aida J, Takubo K.  Am J Surg Pathol 2014 Nov; 38(11):1545-50.

日本でごく初期の食道がんや胃がんと病理組織診断されている病変は、欧米ではがんではなく、高度異形成や軽度異形成(いずれも前癌病変)と診断されています。この診断基準に差のあることは、日本人病理医や消化器科医、また最近では米国の医師の間に広く知られています。日本の診断基準は、がんが浸潤する前に早期に診断し早期治療を受けることができる点で患者にとって優れています。しかし、この点について米国の医師を説得できていませんでした。「がんだからがん」と説明なしに主張するだけだったからです。また、日本人の主張を強く書いた論文はまれでした。本研究グループは日本の診断基準が優れていることを4論文(雑誌)と2つの英文著書の中で強く主張して来ました。本論文は米国で最も権威のある外科病理に関する雑誌に採択されました。本論文中で、欧米では高度異形成とされる病変でも、浸潤がんの含まれていることを証明することにより、欧米の医師に、高度異形成はがんと診断すべきであることを説得できると思われます。米国人(ハーバード大学 Lauwers教授)も共同著者になっています。さらに、本論文に対する雑誌巻頭の論説は、共同著者のドイツバイロイトのVieth教授が書くことになっています。