TOPICSMORE
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- 2024.10.15
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- メディア
- 「世界で最も影響力のある研究者トップ2%」に選出されました。
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- 2024.09.30
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- 学会・研究会
- 第56回日本臨床分子形態学会総会・学術集会で特別講演を行ないました。
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- 2024.09.18
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- 学会・研究会
- 第83回日本癌学会学術総会で研究成果を5演題、発表します。
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- 2024.07.29
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- 学会・研究会
- 第56回日本臨床分子形態学会総会・学術集会で特別講演を行ないます。
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- 2024.06.24
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- 学会・研究会
- 日本プロテオーム学会で、研究成果を発表しました。
GREETINGご挨拶
リーダー 研究部長 石渡俊行
「高齢者がん研究グループについて」
高齢になると増えてくるがんの中で、膵臓がんは早期に発見するのが難しく、有効な治療法も少ないことから難治性がんと呼ばれています。私は米国留学をきっかけに膵臓がん研究を始め、現在はがん細胞の老化誘導療法の研究や、がん細胞の多様性や可変性に注目した個別化治療の研究など、高齢者研究の最先端施設である本研究所の特徴を生かした研究を行なっています。患者さんやご家族にとって希望の光となるような、新たな膵臓がんの治療法を発見したいと考えています。
年々、基礎医学研究を取り巻く環境が厳しさを増し、研究のための試薬、器具の購入や、今後の膵臓がん研究を担う若手の研究者の育成が難しくなっています。膵臓がんをはじめとした高齢者がん研究の進歩、発展のため、今後とも皆様のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
ご寄附についてRESEARCH研究内容
膵臓がん研究MORE
膵臓がんの中には少数の「がん幹細胞」と呼ばれる自分と同じ細胞と、さまざまな種類のがん細胞を作ることができる特殊ながん細胞が存在し、がん細胞の多様性に重要な役割を果たしていると考えられます。
また、がん細胞は上皮間葉転換(EMT)により、移動能や転移能が亢進し抗がん剤にも耐性を示すようになることが報告されています。
このような、膵臓がん細胞の多様性と可変性に注目し研究を進めています。
テロメア研究MORE
テロメアは染色体の末端に存在し安定に貢献しています。テロメアはTTAGGGの繰り返し配列からなり、出生時には12kbpの長さです。通常、正常培養細胞では細胞分裂ごとにテロメアは短縮し、6kbpまで短縮すると分裂を停止します。
また、生体内でも加齢とともに短縮します。テロメアが短縮すると染色体の安定がくずれて異常がおき、がんを含めた疾患の発生原因となると考えられています。このテロメアの短縮と疾患の関係を明らかにしようと研究しています。
共同研究MORE
高齢になると、さまざまな臓器にがんが発生しやすくなります。また高齢になるにつれ、心血管障害や認知症、サルコペニアなど、がん以外の加齢性疾患に罹る方も増えてきます。
諸臓器のがんと加齢性疾患について、本センターの病理診断科や研究所の他部門、本グループの協力研究員の先生方との共同研究の成果を紹介しています。
著書を見る
Pathology of the Esophagus 3rd Edition
Kaiyo Takubo 2017 Wiley Japan Tokyo初版は2000年、第2版は2007年に発行。消化管学に関する日本からの情報発信の不足を欧米から指摘されていました(Stolte M. Virchow Arch 1999)。この指摘に応えると同時に、早期がんに関する日本的な診断方法の正当性などが主張されています。国際食道疾患会議、日本食道学会や日本病理学会の会員の協力を得て刊行されました。Gastroenterology、Gut、Am J Surg Pathol、Der Pathologeの書評で絶賛されました。
Barrett 食道癌
小山 恒男 編集 2015 日本メディカルセンター 東京食道に発生するがんは本来扁平上皮がんが多いのですが、近年欧米では食道下部を腺上皮で覆われるBarrett食道が増加し、そこに発生する腺がんが悪性腫瘍の大半を占めるようになってきています。日本でも最近Barrett食道・食道がんが注目され、日本では胃がんの早期発見で培われた知識と技術によりBarrettがんも表在性(粘膜・粘膜下層に限局するがん)のうちに診断・治療され、症例の蓄積がなされています。この本はこれまでの表在性Barrett癌についての知識を書籍としてまとめたもので、病理を本グループの相田と田久保前部長が執筆しています。
Morson and Dawson’s Gastrointestinal Pathology 5th Edition
Shephard NA et al. Ed. 2013 Wiley-Blackwell Oxford本書は消化管病理学の教科書の中で、最も古く世界的に読まれています。しかし、本書の執筆者の多くは日本人ではなく、わずか3人の日本人病理学者が執筆しています。消化管の病理学は日本国内で研究された多くの優れた業績があります。本来でしたら、著者の多くを日本人が占めることができると考えられます。
食道癌 腫瘍病理鑑別診断アトラス
田久保海誉、大橋健一編集 2012、文光堂、東京主要臓器のがんは、日本病理学会と臓器の関連学会(例えば日本食道学会)により、その臓器のがんの取扱い規約が定められ、臨床的、病理学的所見の記述法や分類が統一されています。以上の基準により日本ではがんの解析が行われ、優れた業績をあげています。本アトラスは「食道癌取扱い規約」の詳細な説明と、規約では記述のない重要な所見を説明しています。本グループのメンバーが編集に参加し、田久保前部長、相田と病理診断科部長の新井が執筆しています。
MEMBERS研究メンバー
常勤メンバー
- 研究部長
- 石渡 俊行ISHIWATA TOSHIYUKI
資格など | 医師、医学博士、日本癌学会評議員、日本病理学会学術評議員、日本膵臓学会評議員、米国癌学会会員、米国膵臓学会会員、国際膵臓学会会員、日本老年医学会会員 科学研究費補助金(科研費)審査委員(平成28年度、平成29年度:消化器内科学 基盤研究(C), 平成30年度、平成31年度:消化器外科学 若手研究) |
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専門 | 癌幹細胞、上皮間葉転換、増殖因子受容体、膵臓癌 |
コメント |
膵臓がんをはじめとした老年病の早期診断と新たな治療法の開発を目指しています。 Researchmap: |
- 研究員
- 五味 不二也GOMI FUJIYA
資格など | 理学博士、基礎老化学会会員、分子生物学会会員、日本生化学会会員、日本癌学会会員 |
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専門 | 細胞生物学、生化学、膵臓がん研究 |
コメント | 医師とは違う(加えて近視でもなく老眼でもない。)目で(どんな目だ!?)、がん細胞を見てみようと思います。 KAKEN: https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000040205620/ |
- 研究員
- 野中 敬介NONAKA KEISUKE
資格など | 医師、医学博士、日本病理学会認定病理専門医、日本臨床細胞学会認定細胞診専門医 |
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専門 | テロメア研究、副腎病理、造血器病理 |
コメント | 医療関係者以外にも興味を持ってもらえるような研究を目指しています。 Researchmap: https://researchmap.jp/Nonaka_Keisuke |
非常勤メンバー
- 非常勤研究員
- 進士 誠一SHINJI SEIICHI
資格など | 日本医科大学消化器外科 講師、医局長、医師、医学博士、米国癌学会会員、日本癌学会会員、日本内視鏡外科学会評議員、日本大腸肛門病学会評議員、日本消化器病学会評議員、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
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専門 | 大腸癌、消化管神経内分泌腫瘍、下部消化管外科 |
コメント | 臨床と基礎をつなぐ架け橋として、現場で役立つ研究を目指しています。 Researchmap: https://researchmap.jp/5-5 |
- 非常勤研究員
- 志智 優樹SHICHI YUUKI
資格など | 獣医師、医学修士、獣医アトピー・アレルギー・免疫学会会員、日本獣医エキゾチック動物学会会員、日本癌学会会員、日本病理学会会員、日本膵臓学会会員 |
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専門 | 獣医病理学、実験病理学 |
コメント | 人と動物の垣根を越えて、がん研究に貢献して参ります。 Researchmap: https://researchmap.jp/y-shichi |
- 非常勤研究員
- 藤原 正和FUJIWARA MASAKAZU
資格など | 医学博士(論文) |
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専門 | 膵臓がん、血管細胞生物学 |
コメント | 膵臓がんの治療を一歩でも進めるようなアイデアを振り絞った研究を行いたいです。 Researchmap: https://researchmap.jp/read0006489 |
センター病理診断科所属
- 病理診断科部長
- 新井 冨生ARAI TOMIO
資格など | 医師、医学博士、日本病理学会認定病理専門医・学術評議員、日本臨床細胞学会認定細胞診専門医、日本臨床検査医学会認定臨床検査専門医・臨床検査管理医、日本食道学会評議員、日本胃癌学会評議員、大腸 癌研究会世話人、日本老年医学会代議員 |
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専門 | 消化管病理学、老年病理学、高齢者の胃癌・大腸癌、メチル化 |
コメント | 「蝶のように舞い、蜂のように刺す」研究をしたい。 Researchmap: https://researchmap.jp/TomioArai Researchgate: https://www.researchgate.net/profile/Tomio-Arai |
- 医長
- 六反 啓文ROKUTAN HIROFUMI
資格など | 医師、医学博士、病理専門医、分子病理専門医 |
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専門 | 消化器病理学、ゲノム解析 |
コメント | 高齢者医療への貢献を念頭に研究を進めてまいります。 |
- 医員
- 小松 明子KOMATSU AKIKO
資格など | 医師、日本病理学会会員、日本メディカルイラストレーション学会会員 |
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専門 | 血管・肺・腎病理等 |
コメント | 日々の診断業務や解剖で病理の経験を積みながら、研究等における医療系イラストの可能性も広げていきたいと考えています。 |
協力研究員
- 青木 悠人
- 飯野 薫
- 石渡 俊二
- 伊藤 邦彦
- 潮 靖子
- 小川 祐太郎
- 金澤 伸郎
- 川野 陽一
- 北川 章
- 木脇 裕子
- 黒岩 美枝
- 眞田 幸弘
- 高橋 公正
- 高橋 吾郎
- 田久保 海誉
- 竹内 二士夫
- 千田 宏司
- 鄭 子文
- 刀祢 重信
- 畠山 仁
- 日向 奈惠
- 平林 健一
- 古川 徹
- 松下 哲
- 益子 高
- 三木 厚
- 道下 正貴
- 源 利成
- 森谷 卓也
- 山本 昌美
- 吉村 久志
- 松本 光司
- 他1名(敬称略)
ACHIEVEMENT業績トピックス
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Artificial intelligence-based analysis of time-lapse images of sphere formation and process of plate adhesion and spread of pancreatic cancer cells. Shichi Yuuki, Gomi Fujiya, Hasegawa Yasuko, Nonaka Keisuke, Shinji Seiichi, Takahashi Kimimasa, Ishiwata Toshiyuki. Front Cell Dev Biol. 2023 Nov 17;11:1290753. https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fcell.2023.1290753/full (さらに…)
- MORE
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Accelerated telomere shortening in adrenal zona reticularis in patients with prolonged critical illness. Keisuke Nonaka, Kaiyo Takubo, Junko Aida, Yoriko Watai, Akiko Komatsu, Fujiya Gomi, Yuuki Shichi, Yuto Yamazaki, Toshiyuki Ishiwata, Hironobu Sasano, Tomio Arai. Front Endocrinol (Lausanne). 2023 Sep 4;14:1244553. https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fendo.2023.1244553/full
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Single-cell RNA sequencing to detect age-associated genes that identify senescent cells in the liver of aged mice. Doshida Y, Hashimoto S, Iwabuchi S, Takino Y, Ishiwata T, Aigaki T, Ishigami A. Sci Rep. 2023 Aug 30;13(1):14186.
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Clinicopathological and molecular characteristics of gastric papillary adenocarcinoma. Arai T, Komatsu A, Kanazawa N, Nonaka K, Ishiwata T. Pathol Int. 2023 Aug;73(8):358-366. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37341602/
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mTOR pathway as a potential therapeutic target for cancer stem cells in canine mammary carcinoma. Michishita M, Ochiai K, Nakahira R, Azakami D, Machida Y, Nagashima T, Nakagawa T, Ishiwata T.Front Oncol. 2023 Jan 27;13:1100602. https://www.frontiersin.org/journals/oncology/articles/10.3389/fonc.2023.1100602/full
COLUMNMORE
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- 2024.10.08
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- 異国の研究室でできなかったこと
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- 2022.11.21
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- 加齢とがん ~その➁~ ひらがなの「がん」と漢字の「癌」の違いは?
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- 2022.10.10
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- がんになりにくい動物の秘密 ~その② カピバラ~
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- 2022.08.29
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- 加齢とがん ~その①~ がんと良性腫瘍とは?
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- 2022.07.21
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- コラム
- がんになりにくい動物の秘密 ~その① ゾウ~