業績一覧

サザンブロット法による研究

ウェルナー症候群の患者の皮膚でテロメア短縮が加速している

Naoshi Ishikawa, Ken-ichi Nakamura, Naotaka Izumiyama-Shimomura, Junko Aida, Akio Ishii, Makoto Goto, Yuichi Ishikawa, Reimi Asaka, Masaaki Matsuura, Atsushi Hatamochi, Mie Kuroiwa, Kaiyo Takubo. Accelerated in vivo epidermal telomere loss in Werner syndrome. Aging (Albany NY) 2011; 3: 417-429

ウェルナー症候群(WS)はウェルナーヘリカーゼ遺伝子の変異により発症する疾患です。思春期以降に加齢と関係する症状(白髪、皮膚の萎縮、動脈硬化、骨粗鬆症など)を通常よりも若い年齢から発症します。代表的な早老症で、老化のメカニズムを解明するモデルとして注目されてきました。難治性の潰瘍のため手術された患者皮膚および骨格筋のテロメア長をSouthern blot法により測定し、コントロール群との関係を解析しました。WS患者皮膚組織において、30歳代以降、正常人群と比べテロメア長が急速に短縮(25歳相当早まる)すること、一方骨格筋組織では出生早期からテロメア長が有意に短縮していることを明らかにしました。これはWS患者の生体内(in vivo)でのテロメア長動態について世界初の報告で、テロメア維持機構の破綻がWS発症の基盤の一つとなることを強く示唆します。WS患者における若年での肉腫の発症や中年以降の癌腫の多発とテロメア短縮との関連を初めて統計学的に示したことも注目されます。