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膵臓がん研究

膵がんのがん幹細胞:その特徴と検出方法(総説)

Pancreatic cancer stem cells: features and detection methods. Toshiyuki Ishiwata, Yoko Matsuda, Hisashi Yoshimura, Norihiko Sasaki, Shunji Ishiwata, Noshi Ishikawa, Kaiyo Takubo, Tomio Arai, Junko Aida. Pathol Oncol Res. 2018 Oct;24(4):797-805. doi: 10.1007/s12253-018-0420-x. Epub 2018 Jun 8. Review. PubMed PMID: 29948612.

がん幹細胞 (Cancer Stem Cell/CSC) は多分化能と自己複製能を有するがん細胞で、腫瘤の形成に重要な役割を果たしていると考えられています。がん幹細胞は、膵がん(Pancreatic Ductal Adenocarcinoma/PDAC)の発がんや転移、抗がん剤や放射線治療への抵抗性にも関与しています。がん幹細胞を分離、同定する主な方法として以下の3つの方法が現在広く用いられています。①がん幹細胞マーカーと、②低接着プレートで培養して形成されるスフェア(浮遊細胞)、③細胞内から細胞外への薬剤排泄ポンプ機能が高いSide Population (SP)細胞です。膵がんのがん幹細胞マーカーとしてはCD133, CD24, CD44, CXCR4, EpCAM, ABCG2, c-Met, ALDH-1, nestinなどが知られています。一方で、どのマーカーが膵がんのがん幹細胞に特異的なのかや、がん幹細胞にはこれらのマーカーが単独で発現しているのか複数が同時に発現しているのかなど未だ明らかではありません。がん幹細胞を分離して、その特徴を解析することはがん幹細胞に特異的な治療法の開発に繋がり、膵がんの予後の向上に寄与すると考えられます。この論文では、膵がんのがん幹細胞の特徴とその検出方法について紹介しています。