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共同研究

高齢女性の盲腸・上行結腸に集積のみられる髄様型低分化腺がんはミスマッチ修復遺伝子のメチル化により発生する

Hypermethylation of hMLH1 promoter gene with absent hMLH1 expression in medullary-type poorly differentiated colorectal adenocarcinoma in the elderly. Tomio Arai, Yukiyoshi Esaki, Motoji Sawabe, Naoko Honma, Ken-ichi Nakamura, Kaiyo Takubo. Mod Pathol 2004; 17: 172-179.

大腸がんは高齢者に好発するがんです。低分化腺がんは大腸がんの約5%を占めるに過ぎませんが、高齢女性の盲腸・上行結腸に好発します。このタイプのがんの特徴を調べたところ、遺伝子の繰り返し配列が不安定な状態(マイクロサテライト不安定性)を示すことが明らかになりました。その原因は,DNAの傷を修復する遺伝子(ミスマッチ修復遺伝子)の働きをオフにする現象がみられたからでした。一般に低分化腺がんは悪性度が高いといわれていますが、メチル化により発生した高齢者のがんは比較的おとなしいがんであることも明らかになりました。