業績一覧

染色体FISH法による研究

テロメアの短い膀胱癌が組織学的悪性度が高い癌に進行する

Naotaka Izumiyama-Shimomura, Ken-ichi Nakamura, Junko Aida, Naoshi Ishikawa, Mie Kuroiwa, Naoki Hiraishi,Mutsunori Fujiwara, Yuichi Ishikawa, Naoko Inoshita, Junji Yonese, Masaaki Matsuura, , Steven SS Poon, Tomio Arai, Kaiyo Takubo. Short telomeres and chromosome instability prior to histologic malignant progression and cytogenetic aneuploidy in papillary urothelial neoplasms. Urol Oncol 2014; 32: 135-145.

乳頭状に膀胱の中に突出する膀胱癌の悪性度は、組織像(顕微鏡で見た癌組織や細胞の様子)により3種類に分類されています。最も悪性度が低い型は、細胞核内の染色体数は正常と同じく46本でした。これは切除で治ります。悪性度が中間の型は46本未満であることが多く、最も悪性度の高い型は46本よりも多いことがわかりました。この一連の組織像の悪性化と染色体数の変化の過程よりも前に、テロメアの短縮と染色体の不安定性がすでに起きていることを本論文は証明しました。以上の結果から、テロメアが短く染色体の不安定性のある癌は、悪性度の高い癌に早期になることが予想されました。

図:3群の膀胱癌培養細胞中に見られた分裂後期架橋の代表的な像。(A)悪性度の低い型 (B)悪性度が中間の型 (C)悪性度の高い型 糸状の染色体(ストリング: 矢印)にブレブ(★)の形成が見られ、多数の微小核(#)が認められる。