業績一覧

組織切片FISH法による研究

副腎皮質3層各々の分化とテロメア長は相関する

Nonaka K, Aida J, Takubo K, Yamazaki Y, Takakuma S, Kakizaki M, Matsuda Y, Ishikawa N, Ishiwata T, Chong JM, Arai T, Sasano H. Correlation between Differentiation of Adrenocortical Zones and Telomere Lengths measured by Q-FISH. J Clin Endocrinol Metab. 2019 Jun 20.

以前我々は、幹細胞群がより分化した細胞群へ移行するにつれてテロメア長が徐々に減少することを報告しました(Aida J, et al. Basal cells have longest telomeres measured by tissue Q-FISH method in lingual epithelium. Exp Gerontol2008; 43: 833-9)。すなわち、テロメア長は細胞老化に加えて、細胞分化の指標と考えることも可能です。

副腎皮質の3層各々から合成・分泌されるホルモンの生体に対する重要度や各ホルモン分泌をコントロールするフィードバック機構の有無等から、ZF(束状層)が皮質3層の中で最も分化した層、ZR(網状層)が最も未分化な層、ZG(球状層)が両者の中間であることが推定されます。本研究では、ヒト副腎皮質3層の実質細胞のテロメア長を層別に組織Q-FISH法で測定し、各々の層の機能的・形態的分化とテロメア長が相関することを世界で初めて示しました。本研究成果が、副腎皮質の層構造発達異常疾患(原発性副腎低形成症など)の病因・機序解明の一助となることが期待されます。