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染色体FISH法による研究

染色体の癒合はテロメアの短い染色体から始まり分裂後の娘細胞の不分離の原因となる

Kaiyo Takubo, Junko Aida, Naotaka Izumiyama, Naoshi Ishikawa, Mutsunori Fujiwara, Steven SS Poon, Hiroshi Kondo, Makoto Kammori, Masaaki Matsuura, Motoji Sawabe, Tomio Arai, Duncan M Baird, Ken-ichi Nakamura. Chromosomal instability and telomere lengths of each chromosomal arm measured by Q-FISH in human fibroblast strains prior to replicative senescence. Mech Age Dev. 2010; 131: 614-624.

本研究所で作られたヒトの線維芽細胞7株を細胞分裂が停止するまで培養しテロメア長を経時的に染色体別に計測しました。測定には定量的蛍光インサイチューハイブリダイゼイション法を用いました。分裂が止まる直前に出現した癒合した染色体(染色体不安定性の指標)のテロメアは有意に短縮していました。また染色体不分離像である細胞分裂の後期−終期ブリッジ(架橋)の頻度はテロメア短縮と相関し、架橋中にテロメアが過度に短縮した染色体があることを証明しました。テロメア長短縮率、短縮する染色体番号などに細胞株の個性があることを明らかにした点も独創的であり本研究の画期的な点です。

図1
図2

図1:
TIG-1細胞のホールクロモゾームペインティング法による分裂中・後期架橋像。赤はX染色体、緑は21番染色体です。核は完全に分裂せず糸状の核線で繋がっています。繋がった部分にはX染色体と21番染色体とが存在しています。両染色体は定量的FISH法によるテロメア長測定で、テロメアが過度に短縮していました。(Mech Age Dev 2010; 131: 614-624)